2025年9月期 株主通信

2024.10.01 - 2025.09.30 YRGLM REPORT

株式会社イルグルム 代表取締役CEO 岩田進

トップメッセージ

過去最高の連結売上高と大幅な営業増益を達成
「AI企業」としての進化を掲げ、更なる成長軌道へ

株式会社イルグルム 代表取締役CEO 岩田進

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご支援をいただき、心より御礼を申し上げます。

2024年9月期からスタートした中期経営方針「VISION2027」も2年目を終えました。当社グループは「第2創業期」と位置づけ、安定した収益基盤であるマーケティングDX事業のさらなる発展と、コマース支援事業の飛躍を実現することで、中長期にわたる企業価値の持続的な成長を目指しています。

昨今、急速に普及する生成AI技術は、産業構造を根底から覆す可能性を秘めています。当社はこの変化を好機と捉え、「AI企業としての進化」を新たなテーマに掲げました。「AI時代に最適化した組織とサービス群にフルモデルチェンジ」を目指し、単にAIを利用するだけでなく、プロダクトや業務プロセスそのものにAIを組み込むことで、お客様への提供価値を飛躍的に高めてまいります。両事業においてAIを活用した機能拡充・新サービスを続々と発表し、急拡大する国内AI市場で確固たるポジションを築く所存です。

一方で、生成AIに象徴されるようにITの進化が目まぐるしい現在、時代の先を見すえたビジネスモデルの変革が不可欠です。こうした状況を踏まえて、当社グループは「第2創業期」という位置づけのもと、新たな成長ステージに向けた挑戦を始めています。2024年度からの中期経営方針「VISION2027」では、安定した収益基盤であるマーケティングDX事業のさらなる発展をめざすとともに、コマース支援事業の飛躍を実現していくことで、中長期にわたる企業価値の持続的な成長をめざしてまいります。

こうした方針を踏まえまして、2024年9月期の業績についてお知らせいたします。

2025年9月期の業績

連結売上高は過去最高を更新
営業利益は約1.7倍に伸長

2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比35.7%増の49億3千4百万円と過去最高を更新し、営業利益につきましては前期比69.6%増の2億7千8百万円と大幅な増収増益を達成いたしました。これは、マーケティングAI事業が高い収益性を維持したことに加え、先行投資を行ってきたコマースAI事業において、M&Aの効果や構造改革が進み、第3四半期に黒字転換を果たしたことが大きく寄与しております。

一方で、親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、1億4千2百万円の損失となりました。これは主に、事業そのものは順調に推移しているものの、過去にM&Aで取得した子会社(ルビー・グループ株式会社および株式会社トピカ)に関連して、将来の不確実性に備えて保守的に見積もった結果、3億3千7百万円の減損損失等を特別損失として計上したことによるものです。事業そのものの収益力(営業利益・経常利益)は大幅に向上しておりますので、この一時的な会計処理を経て、財務体質の健全化を図り、次期以降のV字回復を目指してまいります。

連結売上高・連結営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益の推移

中期経営方針「VISION2027」

マーケティングAI事業の新SaaS展開とコマースAI事業の垂直統合
AIの実装により、両事業の競争力を強化

中期経営方針「VISION2027」の達成に向け、両事業ともに着実な進化を遂げています。2026年9月期からは、AI時代に最適化した組織体制を示すため、セグメント名称を「マーケティングAI事業」「コマースAI事業」へと変更いたしました。

AI時代に最適化した組織体制を示すため、セグメント名称を「マーケティングAI事業」「コマースAI事業」へと変更

「VISION2027」マーケティングAI事業の展開

導入実績No.1アドエビスを収益基盤に、2026年9月期は次なる飛躍への『戦略的投資』を実行

マーケティングAI事業 主力の「アドエビス」が安定した収益を生み出す中、新たな成長の柱として、2025年5月に新SaaS「アドエビス・キャンペーン・マネージャー」の正式版をリリースいたしました。これはAIが過去の施策を学習し、次の一手を提案する画期的なサービスです。2026年9月期は、この新サービスの市場認知を獲得するための投資を行い、再来期以降の大きな飛躍に向けた布石を打ってまいります。

新たな成長の柱、新SaaS「アドエビス・キャンペーン・マネージャー」

「VISION2027」コマースAI事業の展開

次世代型のEC開発としてAIを積極活用、
利益率向上フェーズへの移行と「垂直統合モデル」の実現へ

コマースAI事業は、売上高が前期比約2.5倍の20億1千7百万円へと急拡大しました。ECサイト構築・運用から集客、物流に至るまでを一気通貫で支援する「垂直統合モデル」の実現に注力しています。また、「EC-CUBE」の開発プロセスにおいて、要件定義からコード生成、テストに至るまで、生成AIを活用する取り組みを開始しました。開発プロセスの効率化による工数削減と品質向上を目指し、今後は売上拡大だけでなく、利益率の向上も実現してまいります。

垂直統合モデル
株式会社イルグルム 代表取締役CEO 岩田進

2026年9月期に向けて

2桁の増収増益とROE10%超への回帰を目指す
株主還元は増配を予定

株式会社イルグルム 代表取締役CEO 岩田進

2026年9月期の通期業績予想につきましては、AI活用による事業変革とコマース事業の収益性向上が牽引し、売上高54億5千万円(前期比10.4%増)、営業利益3億2千万円(同14.7%増)と、2桁の増収増益を見込んでおります。

2026年9月期の通期業績予想

また、特別損失の影響が一巡したことで、当期純利益は黒字へ回復し、経営の重要指標であるROE(自己資本利益率)も10%超の水準へ回復する見通しです。

株主還元につきましては、当期は最終赤字となりましたが、事業の実質的な収益力は向上していること、および安定的な配当継続の方針に基づき、当初予想通り一株当たり7.9円(前期比0.1円増配)を実施させていただきます。さらに2026年9月期は、配当方針DOE2.5%に基づいた7.0円にスタンダード市場上場記念配当1.0円を加え、一株当たり8.0円への増配を計画しております。

私たちは今、AIという強力な武器を手に、再び高成長軌道へと回帰するスタートラインに立っています。「イルグルムはAI企業として進化した」と実感していただけるよう、全社一丸となって企業価値向上に邁進してまいります。株主の皆様におかれましては、変わらぬご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役 CEO岩田進

事業別概況

SUMMARY OF BUSINESS

マーケティングAI事業

売上構成比 59%

事業内容

AIを組み込んだマーケティングSaaSを軸に、国内企業のマーケティングを支援するサービスを展開しています。
『マーケティング施策の効果改善サイクルを回したい』という顧客課題に対し、データと生成AIでマーケティングの”個人技”を再現可能な”組織力”へ引き上げる「アドエビス・キャンペーン・マネージャー」、広告の効果を高精度で測定する「アドエビス」をはじめ、その他計測データの活用を加速させるサービスを複数展開しています。

売上構成比 59%

当期の業績

売上高は前期比2.2%増の29億2千3百万円、営業利益は前期比80.6%増の2億7千2百万円となりました。高利益率の「アドエビス」の売上が堅調であったことに加え、業務効率化が進んだことで利益率が大幅に改善しました。また、「Growth Step Program」やコンバージョンAPI「CAPiCO」の導入が進み、契約件数は漸増基調を維持しています。

マーケティングAI事業 売上高推移
マーケティングAI事業 営業利益推移
※セグメント別売上及び営業利益は、セグメント間取引の調整額の表記を省略しているため、各セグメント売上の合計値は連結売上高と一致しないことがあります。

コマースAI事業

売上構成比 41%

事業内容

『より良い購買体験を提供したい』という顧客であるEC事業者様の課題に対し、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」の開発・提供と、EC構築・運用フェーズを軸として、集客・物流に至るまで、ECサイト運営者が直面する課題を統合的に幅広く支援するサービスを提供しております。

2024年10月には、ECサイトの運用代行やフルフィルメントサービスの提供等を行うルビー・グループ株式会社がグループ入りしました。EC領域において、生成AI技術を活用した次世代のECサイト構築プロセス標準化への取り組みによる効率化や、垂直統合的にサービスを充実させることで更なる事業成長を図ります。

売上構成比 41%

当期の業績

売上高は、ルビー・グループ株式会社の連結開始やEC構築案件の増加により、前期比約2.5倍の20億1千7百万円と飛躍的に拡大しました。一方、営業利益は、人員体制強化や外注費の増加等の影響で概ね前期横ばいの6百万円での着地となりました。

2025年9月期より連結開始となったルビー・グループ株式会社では、ECサイトの運用支援事業やフルフィルメントサービスの提供を行っております。業績への影響については、約10.5億円の売上寄与で大幅な増収効果となりました。利益面では通期では赤字となりましたが期中に収益性が改善し、下期では黒字化しております。また、主要顧客の一部に解約可能性が生じたことにより、保守的な将来計画に見直したため、減損損失を計上する形となりましたが、これによりのれん償却負担が軽減され、来期以降の収益性の改善に寄与する見込みです。

コマースAI事業 売上高推移
コマースAI事業 営業利益推移
※セグメント別売上及び営業利益は、セグメント間取引の調整額の表記を省略しているため、各セグメント売上の合計値は連結売上高と一致しないことがあります。

トピックス

TOPICS

「AI企業宣言」を発表

AI企業宣言

AIを前提とした企業へと組織・事業をフルモデルチェンジしました。 主力製品のAI実装を加速させ、国内AI市場での確固たる地位確立と、さらなる企業価値向上に邁進してまいります。

東証スタンダード市場へ市場変更

東証スタンダード市場へ市場変更

2025年8月21日、東証スタンダード市場へ市場変更いたしました。これを機に経営基盤を一層強化し、持続的な企業価値向上と売上100億円の実現を目指してまいります。

新SaaS「AD EBiS Campaign Manager」を提供開始

AD EBiS Campaign Manager

施策情報の一元化、成果の自動取り込み、AIによる振り返りと次回施策の提案の3ステップで、属人的になりがちな施策管理を仕組み化・ナレッジ化し、チーム全体で再現性のある成果創出を実現します。

データでみるイルグルム

25期連続増収

設立以降、25期連続増収を続け2014年9月期の13.6億円から2025年9月期は49.3億円に成長しました。上場以降、12期連続増収を続けています。

広告効果測定ツール売上シェア No.1

広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」は、87.4%の高い売上シェアで広告効果測定ツール部門においてNo.1を獲得しています。

※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構

国内EC構築オープンソースNo.1

累計ダウンロード数190万回超、推定35,000超のサイトで稼働中のECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」は日本No.1 EC構築オープンソースとして認定されています。

※独立行政法人情報処理推進機構「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」による

連結子会社の数 6社

近年積極的なM&Aにより領域の拡大を推進。6社のグループ会社とともに企業のマーケティングとコマースを支援しています。

グループ従業員数 334人

上場から12年で従業員数は5倍以上となっています。
※ルビー・グループ、及びその子会社含む従業員数

エンジニア比率(イルグルム単体) 32%

データとテクノロジーでマーケティングを支援するイルグルムでは、エンジニアの構成比が高く従業員の32%を占めます。

男女比率はおおよそ6対4

男性社員と女性社員がバランスよく在籍しており、男女ともに活躍できる環境です。

計12回「働きがいのある会社」への選出

多様な働き⽅を⽀援する環境づくりとコミュニケーションの推進により、Great Place to Work® Institute Japanが主催する「働きがいのある会社」ランキングにおいて、これまで計12回ベストカンパニーにランクインしています。

年次有給休暇取得率 88.5%

従業員の心身の健康を重視し、年次有給休暇取得率は88.5%を達成しました。適切なリフレッシュは生産性向上と、優秀な人財の定着に直結しています。